カルチャーショック 第 1部 9

キルギスのカルチャーショックⅨ     2015年5月

このシリーズは日本にいる人たちに向けて書いてきました。最近、ビシケクにいる方にもお渡ししています。キルギス情報として読んでいただければと思います。

 

1.借りたアパートを汚すな

2年前アパート家賃がいきなり50%も上がってから払うのが大変になりました。豆腐など販売した以上に家賃に消えていきます。困った、困ったと思っていたらある大学で日本人教師をアパート無償提供で募集しているという話を聞きました。これはいいと飛びついて今年9月から教えることになりました。神様ありがとう。

今の家賃を節約したいのですぐにでも引越ししたいのですがインド人の学生が住んでいるので卒業したら入れるということでした。それなら6月にでも引っ越せるのにと思ったら汚れているので修理と掃除が必要とか。どんなに汚れているのか見た事がないので何ともいえません。

インド人が住んでいた後のアパートに入った方の話では、台所は油だらけ、冷蔵庫もひどい状態、排水パイプは油をこぼして固まっていたとか。これでは確かに修理は必要。パキスタン人も汚すので貸すのを敬遠されるらしいです。中国人も油で汚すようです。日本人は油を少なく使うし掃除くらいはしますよ、大家さん。

 

2.洗濯物を歩道で売る

来たばかりの頃、歩道の電柱などに紐を渡してシャツやコートなどを掛けてあるのを見かけました。ただ干しているのかと思いましたが実は売っていたのです。それから歩道に体重計を置いて座っている人がいます。紙に1回いくらと書いてありこれも商売。

大通りの信号手前で手や足が不自由な人が停まった車から金をもらっています。物を売っている人もいますが事故がないかと心配です。

 

3.年上が好み

私が教えている大学の女子学生3年生20歳、彼氏はバイト先で知り合った45歳のコックだそうです。好きになったので結婚するとか言っています。同級生はそんなに年上で恥ずかしいとか非難していますが取り合いません。この先どうなるか見守っていきたいです。

 

4.交通規則なのか

アパート横にいつも4,5台個人タクシーが並んでいます。朝6時から夜10時まで日曜祭日、年末年始に関係なくいるのでガードマン代わりになっているといつか書きました。

その車は未舗装部分が十分あるのに舗装部分ぎりぎりに停めています。どの車も同じなので交通規則でそうすることになっているのか。しかし交通量が少し多くなったり反対側にも車を停めたりすると渋滞の原因になっています。近くでマンション建設をしているので大型車が通り、ゴミの清掃車が通ったりするとすぐ渋滞。

窓から見ると、渋滞を見ながら文句が出ても車を動かそうとしません。どうして渋滞しているのかと不思議そうです。お前だ!原因は!

 

5.ビストロ形式の食堂が増えた

食堂に入ってトレイを持ちケースから好きな物を取ったり注文したりしてレジで支払う。ビストロ形式というのでしょうか、このような食堂が増えました。アパート近くに2軒、アラトー広場近くにも2軒、フィラルモーニア横にもマナス通りにもできました。

便利ですが料理の質や値段に結構差があります。どこが一番いいか、目に付いたら食べ歩きをしてみますか。

 

6. 第3回中央アジア日本語弁論大会

私が来た1999年にビシケクで第3回中央アジア日本語弁論大会が開催されました。4月に民族大学本館講堂で行われましたが、それまでの準備が大変。大体、弁論大会がなぜビシケクで行われるのかよくわからないのです。どうもウズベクのある大学がロシアのCIS大会に対抗して始めたというのが発端のようでした。第1回はウズベク、2回目はカザフ、持ち回りで3回目はキルギスという訳で、しかし引継ぎがないのでわからない。私は2月に新米日本語教師で来ていたので準備当初から加わりました。

やらなくてもいいのではなどの意見もありました。それでもやろうということになり、まず各大学から日本語教師を召集して組織作り。当時は日本語教師会がなかったので主催は各大学の連名で実行委員会として開催。

大会の横断幕は民族大学の職人にパソコンで打ち出した文字を渡して、それを真似て手書きで書いてもらいました。そのほか全部手作りの準備が始まったわけです。

4月下旬の大会当日、前日まで暑いくらいだったのに雪が降りました。このカルチャーショックⅠに書きましたがこれが中央アジアかと本当にショックでした。

さて、今年4月ウズベクで開催された中央アジア大会は第何回でしょうか。タジキスタンや他の国からの参加があると聞きました。予選のキルギス大会にはビシケク市内だけでなくオシュやナリンからの参加があります。ますます盛んになって欲しいです。

 

7.日本語教師会

前項の弁論大会開催後に日本語教師会の設立をという意見が出てきました。日本人教師、キルギス人教師で準備を始めましたが教師会規約をどうするかという話になりました。他の国の規約を参考にするにしても時間がかかる。それで私が作りますと申し出ました。市役所で条例、規則の仕事をしたこともあり他の人より知識はあります。参加教師をどの範囲にするとか概要を話し合って決め、素案を作成し準備会で了承されました。

蛇足ですが中央アジア日本語弁論大会の開催要領も私が作り、第6回キルギス大会の教師会議で了承されました。それまで開催要領がなく、作成のためキルギス大会前にウズベク側から提案された案は大会実行委員会の規約でした。これでは趣旨が違うので合いません。これを大会開催要領として全面的に改正し、その素案を会議に提案し了承されました。

市役所での仕事がひょんな所で役立ちました。

 

8.病気です

人文大学にいた頃、授業に来ていない学生はどうしたと聞くと同級生がすかさず病気ですと答えます。最初はそうかと思っていたのですが、病気のはずの学生が息を切らせて入ってきたりしてこれは違うと。学生だけでなく社会人でもそう答えます。都合が悪いとみんな病気にしてしまいます。

 

9.舌打ちするな

日本人から見てキルギス人の、え!と思う悪い癖があります。

一つは道につばを吐くこと。これはカルチャーショックⅠに書きました。

もう一つは舌先でチェッと音を出す舌打ち。これも気になります。学生など若い女性にされると人間性も疑いたくなります。ずっと以前は日本人もやっていたはずですが駆逐されたのはいつ頃なのでしょう。料理の舌鼓は許されても会話での舌打ちは何とかなりませんかね。

 

10.ハンバーガー

ロシア語でガンブルゲルと呼ばれていますが、少し前まで日本のとは少し違っていました。パンの間に焼いた肉の塊を薄く切って挟みます。サラダ菜やトマトなど併せてのせてケチャップかマヨネーズで味付けして食べます。

薄く切った肉の代わりにハンバーグをのせて、日本で売っているハンバーガーと同じものが登場して何年か経ちました。ベギモトというキルギス資本の?チェーン店や他にも何軒か名前を見ます。

試しに2回ほどベギモトのハンバーガーを食べましたが不味い。肉はパサパサで味がない、パンと味が合っていない。こんなものを並んで買っている人たちの気が知れません。今まで通りのハンバーガーもあちこちで売っているのでこちらを買った方がいいでしょう。

 

11.シシャモ唐上げ

以前は私の注文メニューにシシャモ唐揚げがありました。何年か前、アパートで揚げていたら上の階から匂いについて苦情が来ました。次の時は窓やドアを開けて作ったのにまた苦情が。匂いが嫌だと遠くに逃げ出すしかないのでこれは問題です。

それで換気扇を付けようとしたら台所の換気口は途中までしか開いていないとわかり却下。窓から匂いを出すように改装するのは大仕事です。

結局メニューから消しました。1戸建ての家に住めば復活できるかもしれません。

 

12.豆腐後継者

何年か前から豆腐や納豆作りの後継者育成を考えています。しかし豆腐作りが余程好きでないと続きません。特にキルギス人は飽きやすいから最初は面白がってやっても少し慣れたり儲からないとわかると辞めてしまいます。

お客さんはほとんど日本人なので日本語ができて注文通りちゃんと配達するとなるとキルギス人は不適、と言わざるを得ません。後継者探しは当分の課題です。

 

13.ゴインとゴイン2

中国スーパーマーケットのゴインは食材や電気製品を扱う店が並んでいてよく利用しています。向かって2,3軒左隣にゴイン2という小ぶりのスーパーがあり、ここも大豆などで利用しています。もう長くゴイン、ゴイン2で買い物をしているので店員とは顔なじみ。割引をしてくれます。

何年も前ですがゴインの食料品店で買った大豆を持ってゴイン2に入ったら、その大豆はどこで買ったと聞きます。隣だと答えたらあの店で買うな。それなら今度あんたの大豆値段を上げると言います。これには驚きました。逆にゴイン2で買った大豆を持ってゴインに寄った時もあの店では買うなと言われました。

どういう経緯かわかりませんが店同士張り合っています。それで一度にはどちらかの店にしか行けないのです。

ゴイン2の店は何年も利用していたのに看板もないし店名を聞いたことがありませんでした。ある時、店の名前は?と聞いたらゴイン2だと言います。え!ゴイン?全く別の名前を想像していたのでびっくりしました。何か訳ありですね。

14.トロリーバスも速い

市内をトロリーバス(大型バスに架線を付けてタイヤで走るバス、線路なし)が走っています。いつもはゆっくりでマイクロバスなどに追い越されています。

しかし、ある時乗ったトロリーバスは速かった。広い通りで交通量が少ないから?それにしてもちょっとスピードを上げ過ぎと思いますが。周りの普通車やマイクロバスをどんどん追い抜いていきましたから。へー、こんなに速く走れるんだと感心しました。運転手の気分が良かったのか悪かったのか、とにかく飛ばしていましたね。これは1回しか経験ありません。

 

15.トロリーバスは走らなかった

バス停で待っていたらトロリーバスが来ました。ドアが開いて乗ったのですがなかなか動きません。女性運転手がスイッチをガチャガチャ動かしています。とうとう外に出て点検を始めました。

結局動かずマイクロバスに乗り換えました。トロリーバスに乗った途端に故障という、これも1回だけありました。

 

16.何とかならないか給排水設備

旧ソ連国のどこでも給排水設備の調子が悪く住民は苦労していると聞きます。修理してもまたどこか調子が悪くなるのです。

私のアパートも同様に調子が悪くあきらめ状態です。台所の水がちょろちょろしか出ない。給水管の栓を開ければ栓の辺りから水漏れがするので開けられません。それにトイレ水槽の器具は管のピッチが合っていないのでいつも水が出ています。

風呂場でお湯を使うと台所の水もお湯になってしまいます。どういう構造になっているのか修理した職人に聞いてみたい。

修理は会社や工務店ではなく新聞の案内欄で工賃の安い個人職人を頼みます。それで安かろう、悪かろうになることはしばしば。前に書いたムーシ・ザ・チャスという会社はしっかり修理しています。その分割高ですが。やがてはこういう会社に統合されていくことでしょう。しかし時間はかかります。

 

17.何とかならないかその2 答えを教えてください?・・

大学のテストで答えを教えてください、と言われて驚いたのはカルチャーショクⅠで書きました。このシステムはずっと健在で小学生から大学生まで同級生、教師に聞きます。これは何とかならないでしょうか。

大学で教えていた時、皆で教えあうのに対抗してテストの問題を3種類作ったことがありました。問題は同じでも書いてある順番を変えたのですがこれも効果がありませんでした。教えあうテクニックは小学校時代からの年季が入って上手です。

この状況を変えたくても、大体、教えている教師がそういう環境で勉強してきたからなくなるわけがありません。成績が悪ければ教師に金を払う、教師も何らかの報酬を要求するのは当たり前というのがソ連時代からの習慣です。

この調子では、医者など生命に関する仕事をする人からバザールで売っている人まで、すべて危ない人が育つとしか言いようがありません。

 

18. 兄弟は6人、7人は普通

学生に兄弟は何人かと聞くと6人、7人と言う答えが多いです。日本では少なくなってしまったけれどキルギスではまだまだ子沢山。兄弟の上と下では親子ほど年が違うことになります。

 

19.何とかならないかその3 航空便

2年前だったか日本へ航空便で小包を送りました。船便より少し高いだけだったのです。しかし船便と同じくらいの日数がかかりました。1ヶ月経っても着かないので郵便局に問い合わせたらモスクワには着いたと言われましたがそこから先は不明。ゴミにされて燃えてしまったのか、などと心配しました。

結局2ヵ月半かかって清水に着きました。着いただけいいと思うしかないです。郵便局の窓口に飛行機ではなくバイクか何かで運んだのではないかと冗談を言っておきました。どうもモスクワでの処理が停滞しているようで郵便物が増えているのに施設やシステムが昔のままなのでしょう。

 

20.大豆畑がほしい

3,4年前から知人の別荘の中庭で趣味の野菜などを育てています。最初は土が痩せていて固くて大変でした。毎年、所有者が堆肥を入れたりいろいろ栽培しているので柔らかくなってきました。今年は大豆、トウモロコシを蒔き、苺の苗を植えました。片道1時間かかるので週に1、2回ほどしか作業に行けませんが行く度に野菜が育っているのを見るのが楽しみです。

できれば大豆を育てるもう少し広い畑が欲しいです。畑というより庭程度で十分ですが、近くにはないですね。

 

(カルチャーショックⅩ に続く)  大滝

 

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