中央アジアの誘拐婚

中央アジアの誘拐婚について  2019年10月

キルギスを始めカザフスタン、ウズベキスタンなどで結婚を目的として女性の同意なしに何人かの男性の暴力行為により(車に連れ込む、寝室から縛って連れ出すなど)女性を誘拐することが今なお行われています。何百年も前からの風習のようですがこのような行為が行われているとは驚きです。今までの慣習だからと容認または助長する人たちがいるのは悲しいことです。

KP
写真 ソ連時代の映画より   原題「カフカススカヤ プリェーニツァ」(カフカスで囚われの身に)

 

この誘拐婚により結婚した女性を何人も知っています。しかし男が望んで婚姻したのにある人はウオッカばかり飲んで仕事せず夫婦別居、ある人は外国の出稼ぎ先で別の女性と暮らすようになり離婚、ある人は・・と幸せではない話を聞きます。せめてまともな生活をしている人はどの位なのでしょう。

ビシケクのような街で起こる割合は少ないですが実際あります。地方では見合いのような紹介もありますが多くの結婚が誘拐婚の形式で行われていると思われます。結婚を前提といっても犯罪であるわけでとにかく一日も早く根絶されてほしい。インターネットサイトにソ連から独立してから多くなったと書いてありましたが多くなったのではなく表面に出てくるようになっただけ。キルギス憲法に同意のない結婚は無効とあるようですが有名無実なことは確かです。誘拐婚を実行したら懲役刑にするなど罰則がないとなくならないでしょう。しかし家族などからの届け出が出ないことは問題です。

去年2018年5月にはビシケクがあるチュイ州で痛ましい事件が起きました。誘拐し結婚を強要していた男性が自分に不利な証言をされることを恐れ警察署内で相手の女性を刺殺したのです。こういう事件があると訴えたら殺すぞと脅かすように受け取られますます被害届は出てきません。(事件についてはウェブサイトで「誘拐婚」を検索してください。)大統領などが非難声明を出したと言いますが大統領は誘拐婚が多い西部地区の出身、昔自分も実行したのでは。

カザフ映画より

写真 カザフ映画より

キルギス映画に原題が「ボズ・サルクン」という誘拐婚を扱った作品があります。原題の直訳は(灰色の冷気)、意訳で(変化の予感)でしょうか。邦題は「誘拐された花嫁」。2007年公開の作品で主人公アセマが彼氏の故郷へ行き村の青年の結婚相手と間違えられ誘拐されてしまいます。やがて青年が遊牧で働く草原地帯へ行って生活するわけですが後半は誘拐婚を容認するような内容になっているのは残念です。今年8月に映画撮影が行われた場所に行きました。使われたボズイ(移動式テント)はまだその場にあって映画監督と友人だという所有者一家に使われています。場所はイシククリ湖南岸のボコンバエバという町から山に入った所で映画の題名ボズ・サルクンが新しい地名になっています。

ボズサルクン 映画に登場したテント19年8月-2

写真 映画に使われたボズイ(移動式テント)  大滝撮影

キルギス西部のオシュ州では旅行者でも誘拐されることがあるとか。女性の単独旅行は気を付けないといけません。

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