キルギスの西部、ウズベキスタンとタジキスタンが複雑に国境を接している地区にバトケン州があり、この州にはウズベキスタンとタジキスタンの飛び地があります。
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主な飛び地として通常地図上で確認できるものとしてキルギスのバトケン州内には、
1.シャヒマルダン(Shakhimardan)ウズベキスタン領でフェルガナ州の一部、面積約90㎢、 人口約5,500人、
2.ソフ(Sokh)ウズベキスタン領でフェルガナ州の一部、面積約325㎢、人口約51,000人、
3.ヴォルフ(Vorukh)タジキスタンのソグド州の一部、面積約130㎢、人口約23,000人
の3つがある。飛び地に入るには正式な通過ポイント(国境管理と税関)を経るが、すべての土地が明確に線引きされたり、柵があるわけではなく、目視ではどこが国境かは確認不可能な状況にある。旧ソ連時代は共和国としての境目としての国境は存在したが、1つの国であったため、国境線や碁盤目状に存在する国境地帯にて住民間での衝突などは起こることは少なく、異なる共和国の異なる民族間で比較的共生できる状況にあった。1991年の旧ソ連諸国の独立後は、不明瞭な土地や水資源の領有をめぐり住民間での対立が起こっており、現在では国境問題が原因で住民衝突が発展するリスクを恒常的に抱えている。
バトケン州内には、上記のほかにウズベキスタンの非常に小さな飛び地
Jhangail(ジャンガイル 面積約10㎢)と
Qalacha(カラチャ 面積約2㎢)が存在する。
(補足)他にタジキスタンのガイラガラチェ 面積不明)がある。(WIKIPEDIA「バトケン州」より)
逆にウズベキスタンのアンディジャン州にはキルギスの飛び地であるバラク(Barak)が存在する。バラクは約600名の住民が済む小さな集落(面積868平方メートル)である。周囲を塀に囲まれており、検問所の通過が必要とされる。キルギス本国オシュから4キロ離れているが、ウズベク国境・領土を超えて移動する必要がありコミュニティは隔離されており、過去住民の移動に関して何度とウズベク・キルギス間で衝突している。
(以上、THE POVERTIST 途上国の貧困と開発を深掘りするオンラインマガジンSaturday, October 26, より一部修正補足)
どうして飛び地が。昔ウズベク人に聞いたのはウズベキスタンの飛び地は伝説上の聖地でソ連時代にキルギスから買ったと言いました。WIKIPEDIA「シャヒマルダン」には「伝承によると、第4代正統カリフであるアリー・イブン・アビー・ターリブはシャヒマルダンに埋葬されたとされている。ウズベキスタンの詩人ハムザ・ニヤージーは1929年に殺害されるまでシャヒマルダンで生活していた 。」とあります。伝説はこの部分でしょうか。他の飛び地「ソフ」「ヴォルフ」は記述が見つかりません。